六月

グランエックス12ヶ月
中川たまさん

日に日に日差しが強さを増し、夏はもうすぐそこ。
市場にはピカピカの夏野菜が並び、
食卓にもパワーがみなぎって来ました。
この季節は野菜も美味しいですが、
旬を迎える魚も多くなります。
今回はたっぷりと脂の乗った鰯を使って
自宅で作れる保存食をご紹介します。
魚の調理が苦手という人でも簡単ですので、
ぜひチャレンジしてみてくださいね。

三枚におろした鰯は軽く塩をふり、白ワインに浸して30分ほど置いておくと臭みが消えます。

旬の鰯をどっさり買って。
自家製オイルサーディン作り

おいしそうな夏野菜が並ぶ季節になりました。
野菜はもちろんですが、私は今暮らしている
海沿いの街に引っ越してから、
魚の旬にも敏感になるようになりました。

漁港にある市場には朝、獲れたての魚が並びます。
どれも新鮮で、ものすごく安いので、
買い物に通っているうちに、季節ごとにおいしい魚が
よくわかるようになってきました。

じっくりと鰯をオイル煮に
ごく弱火でじっくり、ゆっくりオイル煮に。直火にかけられるホーロー製のバットがない場合はフライパンで煮てください。

この時期おいしいのは、なんといっても鰯。
脂が乗って、「鰯ってこんなに大きな魚だった?」
と驚くほど、丸々と太っています。
そんな鰯を見つけるとつい嬉しくなって大量買い。
買ったその日はカルパッチョに。翌日は塩焼きや煮魚で。
残った分は、保存がきくオイルサーディンにします。

作り方は簡単で、下処理をした鰯をにんにくやレモン、
ハーブと一緒に火にかけてさっとオイル煮にするだけ。
レモンやハーブの香りがほんのりと移って、
そのまま食べてもすごくおいしい。

我が家ではパスタやピラフの具にしたり、
ラーメンのトッピングにしたりすることも。
アレンジ次第でさまざまな料理に使えるので、
冷蔵庫にあると何かと役立つ、お助け保存食です。

ハーブやレモンの香りが移ったオイルをたっぷりかけたオイルサーディン
ハーブやレモンの香りが移ったオイルをたっぷりかけて冷菜に。ハーブはセロリやフェンネルでも香り高く仕上がります。

オイルも余すことなく味わう。
レモン風味のサーディンのパスタ

自家製オイルサーディンのアレンジ料理は
たくさんありますが、我が家の定番はやっぱりパスタ。
作って数日経つと、オイルに鰯の風味とハーブの香りが
移るので、このオイルを活用しない手はありません。

フライパンに好みの量の鰯とオイル、
その他ハーブやにんにくを入れて熱します。
あとは茹でたパスタをあえるだけ。
オイルサーディンに使ったレモンを加えると
爽やかで夏にぴったりの風味になります。

ほぐしたオイルサーディンとオイル
ほぐしたオイルサーディンとそのオイル、好みでハーブやレモンも加えて熱し、パスタソースを作ります。

もし、ご家庭で和風のお料理が多いという方は、
オイルサーディンに使うにんにくを生姜に、
ハーブを長ネギに、そしてオリーブオイルを
サラダ油に変えると、和風のオイルサーディンに。
ごま油を少し加えるとより香り高い風味になります。

我が家のお気に入りは、この和風オイルサーディンを
大根おろしと一緒に豆腐にのせた「サーディンやっこ」。
薬味たっぷりで、ごま油が香るオイルは
ビールのお供にもぴったりです。

こんな風に、オイルや薬味を自由に組み合わせて、
自分ならではの味付けができるのもいいところ。
今回は唐辛子を入れてみようかな、なんて
毎回あれこれ考えるのも、楽しい時間です。

オイルサーディンの具をパスタにあえる
オイルサーディンの具材をパスタとあえるだけのスピードメニュー。オイルのおいしさも存分に楽しめます。

自家製オイルサーディンはこんなふうに

[材料]

自家製オイルサーディン(作りやすい分量)
真鰯
5尾
小さじ1(5g)
白ワイン
1/2カップ(100mL)
オリーブオイル
適量
にんにく
1片
レモン
1/2個
イタリアンパセリ
2、3本

[作り方]

  1. 鰯は頭を取り、内臓を取り出してよく洗って、三枚におろす。
  2. バットに鰯をならべて塩をふり、白ワインに30分ほど漬ける。
  3. 2の鰯の水気を拭き取る。ホーローのバットにオリーブオイルを入れて鰯を並べ、イタリアンパセリ、薄切りにしたにんにく、レモンをのせる。その上からひたひたになるまでオリーブオイルを回しかける。
  4. 3を極弱火にかけ、鰯に火が通るまで8分~10分ほど煮る。
  5. 4のあら熱がとれたら冷蔵庫で保存する。1週間ほど保存可能。

料理/中川たま 撮影/野川かさね 文/小林百合子

<プロフィール>

中川たま

中川たま
(なかがわたま)

料理家。神奈川県・逗子で夫と高校生の娘と暮らす。自然食品店勤務後、ケータリングユニット「にぎにぎ」を経て独立。伝統を受け継ぎながら今の暮らしに寄り添い、季節のエッセンスを加えた手仕事の提案を行う。最新刊は2018年2月刊行の『季節の果実をめぐる114の愛で方、食べ方』(日本文化社)。ほか著書多数。

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