七月 きゅうり

グランエックス12ヶ月
中川たまさん

夏野菜と聞いて思い浮かべるのはどんなものでしょう。
トマト、ナス、ゴーヤ、はたまたズッキーニ?
我が家の夏野菜といえば、断然、きゅうりです。
サラダに加えたり、そのまま味噌をつけてかじっても
最高なのですが、ひと手間加えると
また違ったおいしさを発見できます。
今回は冷たい料理と温かい料理、色々な調理法で
きゅうりの魅力をお伝えしたいと思います。

イボイボが尖っている新鮮なきゅうり
おいしいきゅうりの見分け方は、緑が濃く、太さが均一であること。イボイボが尖っているのも新鮮さの証です。

ひんやり涼やか
夏のきゅうり料理

ジメジメ憂鬱な梅雨もそろそろ終わり、いよいよ夏ですね。
市場にも夏野菜がたくさん並んで、
買い物するにも楽しい季節です。

暑くなってくると食欲が落ちることもありますが、
そんな時、我が家でよく登場するのがきゅうりです。
みずみずしいきゅうりは、水分不足になりがちな
夏にぴったり。体の中から涼しくなるような気がします。

きゅうりの面白いところは、切り方や調理法によって
食感ががらりと変化するところです。
例えば、冷たい和え物を作るにも、
皮をむいて使うとつるんと心地よい舌触りに。

まるでメロンのようなきゅうり
皮をむいて乱切りにするとまるでメロンのよう。青臭さが減って、よりさっぱりと食べられます。

この時期は旬のプルーンやすももと合わせて、
新生姜のすりおろしとごま油、塩胡椒で和え物に。
爽やかでフルーティーな風味がたまりません。

また皮付きのまますりおろすと、
たっぷりの水分ときゅうりの爽やかな風味を残した、
大根おろしならぬ、きゅうりおろしになります。
肉や魚に合わせるとさっぱりとして、
食欲のない時でもどんどんおかずが進むんです。

サラダの添え物的なイメージがあるきゅうりですが、
使い方次第で立派な主役になります。
まずは色々な切り方をして、食べてみて、
その食感や風味の違いを感じてみてください。

きゅうりを生のプルーン、ごま油と和えてナムル風
生のプルーン、ごま油と和えてナムル風に。体の中からすーっと熱が取れるような、清々しいひと皿です。

油との相性も抜群。
新食感のきゅうり炒め

ポリポリと食感が楽しい生のきゅうりですが、
実は火を通して食べてもすごくおいしいんです。

熱を入れたきゅうりの食感はというと、
炒めたズッキーニに少し歯ごたえを残した感じ。
独特のポリポリ感が残りつつも、
じゅわっとジューシーな歯触りがあって
くせになる食感です。

きゅうりは90%以上が水分なので、
炒めるとぐっとかさが減って、一度にたくさん
食べられるのも嬉しいところ。
油との相性も良く、肉や魚介と合わせて炒めると
ごはんにもビールにもぴったりのおかずになります。

炒めものに使うときは、水分の多い種を取り除いて使いましょう。水っぽくならず、良い塩梅に仕上がります。

夏におすすめなのは、オイスターソースを使った
中華風の炒め物。鶏肉やイカなど、淡白な素材を
使うと、こってりしすぎず、軽やかな食べ心地です。

おいしく作るコツは、きゅうりに火を通しすぎないこと。
先に肉や魚を炒めて、火が通ったところできゅうりを投入。
2〜3分、さっと馴染ませたところで火を止めると、
ポリポリ、じゅわ〜の食感に仕上がります。

ごま油でしょうがを炒めて、オイスターソースで
味付けするとパンチのある中華風に。
オリーブオイルとにんにくで炒め、仕上げにお好みで
ディルを加えると、品のある洋風ソテーになります。

火を入れたきゅうりの楽しい食感、
やみつきになること、間違いなしですよ。

中川たまさんのヤリイカときゅうりのオイスターソース炒め
ヤリイカときゅうりのオイスターソース炒め。ごま油で新生姜を熱し、イカ、きゅうり、バジルの順に炒め、オイスターソース、塩胡椒で味つけ。

豚しゃぶのおろしきゅうり和えはこんなふうに

[材料]

豚しゃぶのおろしきゅうり和え(作りやすい分量)
豚ロース肉薄切り
5〜6枚
きゅうり
1本(100g)
(A)
青ゆず果汁
大1ケ分
醤油
大さじ1/2(9g)
ひとつまみ
ゆず胡椒
少々
中川たまさんの豚しゃぶのおろしきゅうり和え

[作り方]

  1. 鍋で湯を沸かし、豚肉をさっと湯がいて冷水にとる。
  2. きゅうりはヘタを取り、おろし器ですりおろして水気を絞る。
  3. ボウルに2と(A)を入れよく混ぜ合わせ、1の豚肉を加えて和える。

料理:中川たま 撮影:野川かさね 文:小林百合子

<プロフィール>

中川たま

中川たま
(なかがわたま)

料理家。神奈川県・逗子で夫と高校生の娘と暮らす。自然食品店勤務後、ケータリングユニット「にぎにぎ」を経て独立。伝統を受け継ぎながら今の暮らしに寄り添い、季節のエッセンスを加えた手仕事の提案を行う。最新刊は2018年2月刊行の『季節の果実をめぐる114の愛で方、食べ方』(日本文化社)。ほか著書多数。

前の記事へ

次の記事へ