八月 枝豆

グランエックス12ヶ月
中川たまさん

毎日暑い日が続く8月。
夏バテ気味で食欲が落ちることもありますが、
そんな時でもどんどん手が伸びてしまうのが枝豆です。
さっと茹でてビールのお供にするのは定番。
にんにくと一緒に炒めて温かい前菜にしたり。
ポタージュにしても絶品です。
今回は暑い時期に旬を迎える枝豆を使って、
蒸したり焼いたりミキサーしたり。
色々なお料理を作ってみます。

グランエックス12ヶ月 _枝豆さや
枝豆はさやだけの状態で保存すると1日ほどで味が落ちます。枝や葉、根がついたものを買うと、長くおいしさをキープできますよ。

蒸しても焼いても。
シンプルがおいしい枝豆

蝉の声が賑やかな8月になりました。
私が暮らす海沿いの街では、浜辺に子供達の姿が増えて
夏真っ盛りといった雰囲気です。

我が家は夫も私もお酒好きなのですが、
この時期は晩酌に欠かせない枝豆が旬を迎える、
嬉しい季節。

枝豆といえば、さっと茹でてビールのお供にというのが
定番かと思いますが、我が家では同じおつまみでも
ひと手間加えた、蒸し焼き枝豆が人気です。

さや付きの枝豆を少量の湯を張ったフライパンに入れて
蓋をし、水がなくなるまで蒸し焼きにするというもの。
水がなくなった後、さやに少しコゲがつくくらいまで
炒めると、さやに香ばしい風味がつきます。

もちろんさやは食べませんが、口元にさやを運んだ時、
こんがりした香りがほのかにして、これがまあ
ビールをさらにおいしくしてくれるのです。


枝豆_蒸し焼き
蒸し焼きにすると豆がふっくらとして、風味も際立ちます。さやに少しコゲが着くくらいがちょうどいい。

娘に人気なのは、にんにくの風味を効かせた
枝豆とタコのペペロンチーノ風ソテー。
つるんとした枝豆とムチムチしたタコの食感が楽しくて、
大皿にたくさん作っても、家族であっという間に
平らげてしまいます。

旬の枝豆は強い甘さとコクががあるので、
それを味わうためにも味付けはシンプルが一番。
調理がシンプルだと火を使う時間も短くて済みますから、
つくづく夏には欠かせない野菜だなあと思います。

枝豆とタコのペペロンチーノ風ソテー
枝豆のつるんとした食感を生かしたいので、薄皮も丁寧に取り除きます。ひと手間ですが、それが大切。

バジルが香る
ひんやり枝豆スープ

もう一品、おいしそうな枝豆が手に入った時に作るのが
滑らかで冷たい枝豆のポタージュスープです。

しっかりとした旨味とコクがある枝豆は、
牛乳を加えなくても満足感のあるポタージュになります。
お豆独特のもったりとした舌触りが心地よく、
これとおいしいバゲットがあるだけで、
大満足の夏のランチになるんです。

ポイントは、枝豆を茹でた後の茹で汁を加えること。
枝豆の旨味はさやの部分にたっぷり含まれていますから、
それが溶け出した茹で汁は大切なお出汁になります。

枝豆のポタージュスープ
枝豆が滑らかになったら、バジルの葉をちぎってさらに攪拌。爽やかな香りが立ち上ります。

枝豆だけでもおいしいですが、暑い日には
バジルの葉も一緒にミキサーにかけて、
爽やかな風味をプラスするのもおすすめです。

材料は枝豆、バジル、塩とオリーブオイルのみ。
どこまでもシンプルだからこそ、口に含んだ瞬間、
枝豆独特の清々しい緑っぽさを感じられます。

少しさらっと食べたいなというときは
牛乳や豆乳を加えていただいても構いません。
よりクリーミーで優しい風味になって、
そちらもとてもおいしいですよ。

仕上げにとびきりおいしいオリーブオイルをかけると
全体の味の印象が引き締まって、
より枝豆のやさしい甘みと風味が引き立ちます。

緑の枝豆ポタージュスープ
牛乳を加えずに作るとより緑が濃く、味も力強いポタージュに。飲むというより食べるという感覚のスープです。

枝豆の冷たいポタージュはこんなふうに

[材料]

枝豆の冷たいポタージュ(作りやすい分量)
枝豆
300g
バジル
8枚くらい
適量
オリーブオイル
少々
枝豆ポタージュ_レシピ

[作り方]

  1. 枝豆は洗って端を切りボウルに入れ、塩小さじ1を加えて塩もみする。
  2. 鍋にかぶる程度の湯を入れ沸かし、1を入れてやわらかくなるまで20分ほど茹でる。火をとめてそのままおいておく。
  3. あら熱が取れたら枝豆をさやから取り出し、薄皮をむく。
  4. 枝豆とバジル、2のゆで汁300ccをミキサーに入れ、なめらかになるまで撹拌する。
  5. 4をお好みで濾して冷蔵庫で冷やす。
  6. 味を見て塩を加え味を整える。器に盛り、オリーブオイルを回しかけ、こしょうをふる。

料理:中川たま 撮影:野川かさね 文:小林百合子

<プロフィール>

中川たま

中川たま
(なかがわたま)

料理家。神奈川県・逗子で夫と高校生の娘と暮らす。自然食品店勤務後、ケータリングユニット「にぎにぎ」を経て独立。伝統を受け継ぎながら今の暮らしに寄り添い、季節のエッセンスを加えた手仕事の提案を行う。最新刊は2018年2月刊行の『季節の果実をめぐる114の愛で方、食べ方』(日本文化社)。ほか著書多数。

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