十二月 ゆず

グランエックス12ヶ月
中川たまさん

12月、いよいよ今年もあとわずかです。
寒さも本格的になってきて、
凛とした空気が心地よいです。

冬はさまざまな柑橘が旬を迎える季節。
こたつ生活に欠かせないみかんや愛らしい金柑、
お料理に欠かせないレモンも忘れてはいけませんね。

柑橘は冬の間、順々に旬を迎えますが、
12月に食べごろが来るのがゆず。

香り高く、果汁や皮を少し料理に足すだけで
爽やかで華やかな風味を加えてくれますが、
旬の時期以外は少々値が張ることもあって、
なかなか贅沢に使うことができませんよね。

12月は、たっぷりゆずを使って料理ができる嬉しい季節。
今回は体がポカポカと温まるお料理と
火照った体をクールダウンしてくれる
ひんやりデザートをご紹介します。
ぜひセットで作ってみてください。

グランエックス12カ月_ゆずの果汁
温かい料理にゆずの果汁を加えるときは、仕上げのタイミングで。香り高いひと皿に仕上がります。

湯気とともにゆずが香る
冬の真っ白リゾット

ゆずを使う料理を想像すると、みなさん真っ先に
浮かぶのは和食かもしれません。

でも我が家では洋食にもよくゆずを使います。
意外にもバターやチーズなど洋風の食材とも相性がよくて、
ゆずの香りを効かせたリゾットは冬の定番メニューです。

お料理によく使うのは「花ゆず」というこぶりな品種。
実は小さいのですが果汁がたっぷりで、香りはほんのり。
ほかの食材の風味まで消してしまわず、
それでいて爽やかな香りをまとわせてくれるという
とても塩梅のいい、お料理向きの品種だと思います。

グランエックス12カ月_ リゾット
出汁を使わなくても、野菜から出る旨味としらすの塩気だけで十分おいしい。ローリエがあるとより香り高くなります。

しかも我が家のリゾットは生米から炊くのではなく、
余った冷やごはんを使います。本格的なリゾットよりは
やや柔らかめで、洋風雑炊のような感じですが、
その素朴さもまた冬らしくていいなあと思っています。

まずは長ネギと百合根をバターでじっくりと炒めます。
長ネギがトロッとしてきたら水としらす、ローリエ、
白ワイン、ごはんを加えて、百合根に火が通るまで煮るだけ。
仕上げにゆずをぎゅっと絞れば出来上がりです。

お皿に盛ったら、たっぷりのパルミジャーノチーズを
ふりかけて、お好みで削ったゆずの皮を散らします。
湯気と一緒にふわふわ〜っと立ちのぼってくる
チーズとゆずの香りがたまりません。

使う食材がほとんど白いというのもとっても冬らしくて、
仕上げに散らしたゆずの黄色は雪に咲く花のようで、
クリスマスのディナーにもぴったりです。

グランエックス12カ月_リゾット2
長ネギのトロトロ、百合根のホクホク、真っ白いリゾットの中に色々な食感が詰まっています。

温かい料理の後にぴったり
爽やかなゆずソルベ

こたつに入りながら食べるアイスがおいしいように、
温かい料理の後に食べる冷たいデザートはたまりません。
鍋ものなど、体がポカポカと暖まる料理が増える冬は、
我が家ではさっぱり口直しができるソルベが人気です。

ソルベといっても、難しい工程はありません。
甘酒にゆずの果汁と皮を加えて凍らせるだけ。
食感はシャリッとしているのですが、
甘酒のせいか口溶けはどこかとろりとしていて、
シャーベットとグラニテの間のような感覚です。

男性でも食べやすいように、砂糖は使いません。
甘酒の自然な甘みとゆずのさっぱりとした風味が
食後の口直しにぴったりなのです。

底の浅いバットなどに材料を入れて凍らせれば
半日程度でできるので、急なお食事会でも大丈夫。
アイスクリームスクープで一気にすくわずに
スプーンなどで表面をガリガリと削り取ると
ふんわり感とシャリシャリ感を両方味わえる
絶妙な食感に仕上がります。

グランエックス12カ月_ゆずシャーベット
凍ったソルベの表面をガリガリと削って盛り付けましょう。シャリッとした食感ですが、口溶けはなめらかです。

こちらも白いシャーベットに黄色いゆずの皮の
コントラストがとても上品。
ワイングラスなどに盛り付けると、少しおめかしした
デザートになって、とても喜んでもらえます。

ゆずは料理の主役になることはあまりないので、
なくても困らないか……なんて思ってしまいがちですが、
あるとないとではお料理の華やぎが全然違います。
今回ご紹介した2品は、ゆずが主役と言ってもいいほど
その香りや風味を楽しめるお料理です。

自然というのは本当によくできていて、
冬に食べごろを迎える大根やネギ、百合根など
同じ旬を持つ食材ととっても相性がいいものです。

ぜひこの冬は旬の食材を使って、
気軽にゆずと合わせてみてください。
この季節の空気と同じように、いつものお料理が
どこか凛と、澄んだ風味になると思います。

グランエックス12カ月_ ゆずデザート
繊細なワイングラスやカクテルグラスに盛り付けると、 上品で大人っぽいデザートになりますよ。

ゆずのリゾットはこんなふうに

[材料]

(1人分)
ごはん
軽め1膳分
長ネギ
1/3本
百合根
3個
ゆずの果汁
小さじ1
ゆずの皮
少々
有塩バター
10g
パルミジャーノ・レッジャーノ
適量
こしょう
適量
(A)
釜揚げしらす
15g
150cc
白ワイン
50cc
ローリエ
1枚
ゆずのリゾット

[作り方]

  1. 長ネギは2cmに切り、百合根は剥いておく。
  2. 鍋にバターを入れ、長ネギと百合根を炒める。
  3. 長ネギがしんなりしたら(A)を加える。ひと煮立ちし、百合根に火が通ったらごはんを入れて混ぜ合わせ、全体がとろりとするまで煮る。
  4. 火を止めてゆずの果汁を加え、混ぜ合わせて器に盛る。パルミジャーノ・レッジャーノ、削ったゆずの皮、こしょうをお好みでふる。

料理:中川たま 撮影:野川かさね 文:小林百合子

<プロフィール>

中川たま

中川たま
(なかがわたま)

料理家。神奈川県・逗子で夫と高校生の娘と暮らす。自然食品店勤務後、ケータリングユニット「にぎにぎ」を経て独立。伝統を受け継ぎながら今の暮らしに寄り添い、季節のエッセンスを加えた手仕事の提案を行う。最新刊は2018年10月刊行の『デイリーストック 朝、昼、晩 日々の料理の味方』(グラフィック社)。ほか著書多数。

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