きほんのいいもの
ワタナベマキさん

第2話
長く使って育てていきたい、
パンにまつわるアイテム

手に取るたびに「いいなあ」と思えるものがあったなら、
生活の中に小さな喜びが生まれます。
そんな暮らしまわりにあるとうれしいあれこれについて、
教えていただく連載。料理家のワタナベマキさんに伺いました。

ワタナベマキさんのキッチンで存在感を放っているのが、長年愛用している道具たち。色や素材には統一感があり、居心地のいい雰囲気を作り出しています。
ワタナベさんのもの選びの基準のひとつが、「長く使えるもの」であること。
「使っていくうちに、艶が出てきたり、色が深まってきたり、だんだんと自分のものになっていく感じが好きなんです」
身の回りには、木や鉄、銅など、経年変化の楽しみがあるものが自然と多く集まりました。今回ご紹介する、パンにまつわるアイテムも、そんな木製の道具やうつわ。朝食やおもてなしの場にと日々使うことで、いい表情に育っています。

1 1日のはじまりに優しく寄り添う
 バターセット

パンの日の朝、食卓に並ぶのが木工作家・掘宏治さんのバターケース。木目が優しい端正な形で、冷蔵庫から出してそのまま置くだけで絵になります。バターが冷えて硬くなりすぎないのもの木製ケースの良さ。組み合わせているのは『Eichenlaub』のバターナイフです。「さすがドイツのものだなと感じる、しっかりとした作り。このデザインにひと目惚れでした」。200gが入るバターケースにもぴったりのサイズ。朝の気分が上がります。

2 温かく力強い、木の力を感じる角皿

パンをのせる銘々皿として愛用しているのが、木工作家・渡邊浩幸さんの角皿。年輪や色合いなど自然の木の表情と、手彫りの凹凸模様が美しい、シンプルながら存在感のあるうつわです。丸皿が多い中、四角い形に惹かれて購入。「しっかり重量感があって、パン以外にもいろいろ使えそうだなと思いました」。焼き菓子など素朴なお菓子をのせてお茶の時間に、また、トレイのように使ったりと、幅広い表情の変化を楽しめます。

3 道具とうつわを兼ねる、
 カッティングボード

上は自宅の棚を作った際に大工さんがくれたというウォールナットの端材。下の細長いボードはエストニア製。小さいものは昨年買ったもので、お皿代わりにも使えて便利なんだとか。好きでいくつか持っているカッティングボードは、普段の食卓でもどんどん使います。パンをのせて好きなだけ切って食べたり、ドライフルーツやチーズをのせたり。シンプルにのせるだけでさまになり、食事のわくわく感を高めてくれるお気に入りです。

「木のうつわは、白く乾いてきたり、手触りがカサカサになってきたら、オリーブオイルを布ですり込んで手入れをしています」というワタナベさん。ケアすることで柔らかい風合いが保たれ、そうして使い込んでいくと、年月に応じて趣が増していく。そんな木のものならではの味わい深い雰囲気は、素朴なパンの表情にしっくりと合っていました。

続く最終話では、多忙な毎日を送るワタナベさんが、気分をリフレッシュしたり、元気をもらっている愛用品について伺います。

写真:西希 文:加藤奈津子

<プロフィール>

ワタナベマキ

料理家。季節感を大切にした野菜たっぷりの体に優しいごはんや、手をかけながらシンプルに楽しむ保存食など、今の暮らしに合ったセンスの光るレシピが人気。旦那さんと小学5年生の息子さんの3人暮らし。著書に『ワタナベマキのおいしい仕組み:少ない材料・シンプル調理でも絶品になる!味つけのルール 』(日本文芸社)、「アジアのサラダ」(主婦と生活社)など多数。

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