相場正一郎さんのごはんの友 3オイルサーディンのふりかけ

ごはんの友、パンの友

相場正一郎さん

僕が料理修行のためイタリアに渡ったのは18歳の頃。トスカーナという中部の州で5年間を過ごしました。

高校を卒業してすぐ、しかも栃木の山の側で育った
田舎の青年にとって、イタリアは世界の果てのようなところ。
はじめはひどいホームシックになって、寂しい思いもしました。

向こうでの暮らしに慣れてくると、次に恋しくなるのは日本の味。食事は修業先で食べたり、勉強を兼ねてよその店に出かけたりしましたが、食べるのはもっぱらイタリア料理。

日本食を食べたい気持ちはありましたが、そこはイタリア料理修行の身。恋しい気持ちをぐっとこらえて、毎日パスタばかり食べていました。

そんなとき、現地でよく面倒を見てくれていた日本人女性がホームパーティで作ってくれたのが、いわしのオイル漬けを使ったのっけごはん。

缶詰のオイルサーディンにたっぷりのねぎを入れて炒め、しょうゆで味付けしたごく簡単なものなのですが、どこかおかかのふりかけのような風味があって、僕は「サーディンのふりかけ」と呼んでいました。

それ以来、自宅でたくさん作って冷蔵保存するように。冷やすと油が固まってしまうのですが、熱々のごはんにのせると油がほどよく溶けて、ちょうどいい塩梅になります。

僕と同じ様に単身イタリアに渡ってきた日本人シェフたちに振る舞ったことも何度もありました。みんななつかしそうに食べていたことを覚えています。

厳しい修行時代を支えてくれた思い出の味。今でももちろん大好物で、これと炊きたてごはん、納豆があればおかずは何もいりません。家族も大好きな、我が家定番のごはんの友です。

[オイルサーディンのふりかけ]

〈材料(4人分)〉

オイルサーディン(油漬け)
1缶(約100g)
青ネギ
3本
万能ネギ
好みで(トッピング用)
オリーブオイル
大さじ3(36g)
しょうゆ
大さじ1(18g)

[作り方]

青ネギを小口切りにする。白い部分は縦半分に切ってから小口切りにして、青い部分と大きさを揃えるようにカットする。

万能ネギでも作れますが、白い部分のシャキシャキ感があったほうがおいしいので、ぜひ青ネギで作ってみてください。

フライパンにオリーブオイルを熱し、青ネギを炒める。しんなりしつつも、少し歯ごたえが残る程度を目安に。

オリーブオイルを気持ち多めに使うのがおいしく仕上げるコツ。エキストラバージンオイルを使うと一層おいしくなります。

2のフライパンにオイルサーディンを加える。缶詰の油は切らずに、一緒にフライパンへ。

オイルサーディンの種類によって塩分が違うので、少し味見して、最後に加える醤油の量を調整しましょう。

青ネギとサーディンを炒め合わせ、身がほどよくほぐれたところに醤油を加える。

サーディンの潰し具合はお好みで。好みで醤油の代わりにだし醤油を加えてもおいしいですよ。

熱々のごはんの上に盛り、最後に小口切りにした万能ネギを散らす。

ごはんにオイルがしみるくらいたっぷりかけるのがおいしい。万能ネギも豪快にかけて食べてください。

オイルサーディンのふりかけ

料理:相場正一郎 撮影:野川かさね 文:小林百合子

<プロフィール>

相場正一郎

相場正一郎
(あいばしょういちろう)

東京・渋谷区にあるイタリアンレストラン〈LIFE〉オーナーシェフ。サーフィンや釣り、トレッキングなど自然の中で過ごす時間が好きで、週末は故郷の那須に作った山小屋へ。都市と自然を行き来するライフスタイルも注目を集める。

www.s-life.jp

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